保育士のセルフケア、ようやく広がってきた時代
セルフケアという言葉が、だいぶ知られてきました。
私に入ってくる研修のオファーにも、
「セルフケアについて講義してほしい」という声が増えてきています。
支援職として、相手と信頼関係を築くには、
まずは「自分のことを大切に」しないと。
そう気づく方が増えているなら、
とても喜ばしく思います。
「自分を大切にする」が難しい保育士さんへ──甘えじゃない、その真意とは
「自分のことを大切に」という考え方は何十年も前からありました。
しかしこの概念の意味を知り、深く自分の心に染みこませるには、
その人に合ったタイミングがあるのではないでしょうか。
ぴんと来ない時期もあるようですし、
ぴんと来る瞬間は、ほんの一瞬でやってくる気がします。
・「自分を犠牲にしてでも」
・「限界までガマンしてこそ」
といった考えが強かった人には、
「自分のことを大切に」という言葉が、
何やら甘くて、弱さを示すものに、聞こえるのも無理はありません。
これを読んでいるあなたはいかがでしょうか。
「自分のことを大切に」という言葉が、
どのような感じで聞こえてきますか?
私自身、30年以上も日々のセルフケアを続けてきていますが、
「自分のことを大切に」というのは、
揺るがない結論だと確信しています。
本当にシンプルで、力強い、実践の方向性なのです。
保育士のストレス対策に!3つのセルフケア実践モデル
セルフケアはとても奥深く、人生を通じて掘り下げていけるものです。
ですから年齢や人生の状況によって、
ちょうどいい知識と技術を得られるといいですね。
保育現場で働く保育士のみなさんにも、
人それぞれの成熟段階があることでしょう。
今日はどんな段階の方にも、実践してもらいたい、
3つのセルフケアをご紹介します。
思考のループをほぐす:保育士ができる“考え方のセルフケア”
どこにアプローチするか?という視点に立ち、
次の3つに分けて整理しています。
- 頭(考えを変える)
- 体(動いて手放す)
- 人(話して手放す)
今日はこの中の「1.頭(考えを変える)」について、
お話ししていきます。
- 頭(考えを変える)
→ モヤモヤ思考に新しい「意味づけ」や「視点の切り替え」を加えます。
例えば、
・Aさんに避けられた → 他のことを考えていたみたい
・Bさんとはぜんぜん合わない → ちがう感覚をもった人だな
というふうに。
このやり方が合っていて、
嫌なことがあっても引きずらず、
さっと切り替えられる方がいます。
こうしたタイプの方は、もともと「あまり悩まない」と話してくれます。
逆に、嫌なことがあると長く引きずるタイプの方には、
「それが出来れば苦労しないよ」 と言われてしまいそうです。
悩みを引きずりやすいあなたにこそ、「考え方を変える」選択肢を
タイプによって、やり易さはだいぶ違うのですが、
例え長く引きずるタイプの人でも、
やはりこれが出来たときの効果は大きいものです。
考えが変われば、感じ方が変わります。
感じ方が変われば、行動も変わります。
ですから、考えを変えることへの選択肢は、
どうぞ捨てずにとっておいてください。
(※それが難しくて悩んでいる人は、ぜひ個人向けサポートをご覧ください)
さっと考え方を変えて、
気持ちと行動を切り替えられる人は、
これからも続けていってください。
それは本当にすばらしい能力ですね。
モヤモヤ思考は書いて出す:保育士のためのジャーナリング入門
なかなか切り替えられない人は、
頭の中の考えを、いったんぜんぶ書き出してみましょう。
例えば、
「あれ?いよいよ嫌われているのかな?あの態度、なんの意味なのかな?○○かな?それとも××かな?そうだったらどうしよう…そのうち他の人に悪く言い始めるかも。そうしたらわたしは・・・・」
というふうに。
これは「ジャーナリング」と呼ばれています。
「別の考えに切り替える」ことがすぐにできないのはOKです。
その代わり「今どんな考えにモヤモヤしているのか」を、
ありのまま書き出します。
あえて、時間をとって、やります。
ひとりになれる場所で、やります。
「いちいちそんなことをするの?」
と思うかもしれません。
そのときは、
「モヤモヤし続けること」と「書き出してみること」で、
どちらが「自分を大切にすること」になるのか?
自分に聞いてみましょう。
書き出すことができると、「考えを変える」スタート地点に立てます。
場合よっては(かなりの確率で)、
「考えを変える」必要すらなくなり、
書き出しただけで、「モヤモヤが小さく」なって(あるいは消えて)しまいます。
いかがでしょうか。
今日は「1.頭(考えを変える)」について、
お話をしました。
あと2つのセルフケアについても、
このコラムに書いていきますので、
ぜひ読んでみてくださいね。
自分の感情と向き合うあなたを応援しています。