今回のセルフケアは「人」:話して手放すという選択肢
どんな段階の方にも、実践してもらいたい、
3つのセルフケアをご紹介しています。
何にアプローチするか?という視点に立ち、
次の3つに分けて整理しています。
- 頭(考えを変える)
- 体(動いて手放す)
- 人(話して手放す)
1回目は、「1. 頭(考えを変える)」について書きました。
2回目は、「2. 体(動いて手放す)」について書きました。
今回は、「3. 人(話して手放す)」についてお話しします。
保育士のストレスケアは「人とのつながり」にもある
保育士として働くみなさんにとって、
対職員、対保護者という、
大人同士の人間関係がストレスになることは多いものですね。
なにか嫌なことがあったときに、
考えないようにしても、つい考えてしまい、
家に帰ってもそのことが頭から離れない。
こういうときは、
どなたか聴いてくれる人に話すということを、
自然にしてきたのではないでしょうか。
例えば、
・家族や友人に「ちょっと聞いてくれる?」話す
・信頼できる先輩に「こういう時どうしてますか?」と相談する
というふうに。
これも立派なセルフケアの1つです。
思いを外に出すことが、心の整理につながる
頭から離れない嫌な事。
誰かに話して聴いてもらうことで、
少し(あるいはとても)楽になることを、
一度は経験していると思います。
聴いてもらえるって、有難いですね。
声に出して話すだけでも、
混乱した感情が落ち着く効果があります。
共感してもらえると、私たちは“報われた”と感じる
さらに目の前の人が、
関心を持って聴いてくれる。
共感してくれる。
理解を示してくれる。
その反応が得られたときに、
「心理的報酬」を受け取ることができ、
安心感や満足感を実感することができます。
グチること=悪ではない。弱音もセルフケアになる
・人にグチるのは良くない
・弱音を吐いたら負けたことになる
そんな思いが、誰かに話すことにブレーキをかけることもあります。
それはそれで適切な考え方だと思いますが、
人に話すことを禁止する必要はないと思うのです。
話す際に、「セルフケアとして話す」と認識していれば、
話している内容に、静かに責任を引き受けることができます。
他人を批判する言動が出たとしても、
むやみな攻撃にはならず、
話しながら、自分の考えと気持ちに整理がついてきます。
ですから、グチることが悪とは言い切れませんし、
弱音を吐くことが、自分の存在価値を下げることもありません。
ときには思い切って言葉にしてみることをおススメします。
話す相手を選ぶことも“自分を守る”行動です
最後に1つ大事な留意点を書いておきます。
これまで沢山の保育士さんのお話を聴いてきて、
「あの人には話さなければ良かった・・」
と後悔する体験をした方が何人もいました。
話したことで、秘密が漏れてしまったり、
居心地の悪い雰囲気が出来上がってしまったのです。
ですから、「誰に話すか?」はとても重要ですね。
話すことで、不利益が生じてしまわないように、
安全な相手を選び、安全な場所を選びましょう。
いかがでしょうか。
今日は「3.人(話して手放す)」について、
お話をしました。
これ以外のセルフケアについても、
今後定期的にコラムに書いていきますので、
ぜひ読んでみてくださいね。
今日も保育現場に立ち続けているあなたを応援しています。