研修担当者が直面する現場からの反応
保育士のキャリアアップを支援したい。
そう願って研修担当者のみなさんは、
年間計画を立てる、又は単発での研修を企画していることでしょう。
しかし、現場からの否定的反応を心配する方は少なくありません。
実際に現場の園長や職員からは、
「人が足りなくて研修どころじゃないですよ」
という声が挙がることもあるのです。
せっかく職員のために良かれと願って行っている業務が、
不満を増やす結果にはしたくないですよね。
参加者が感じる“後ろ髪を引かれる”感覚とは
私が研修担当者の頃も、その点に多くの配慮をしていました。
現場は人手不足の中で配置を工夫しているため、
一人でも保育から抜けると、周囲の職員に負担がかかるためです。
特に1施設から複数名の参加者を出すことは、
ときに運営全体に大きな負担をかけることにもなります。
この辺り、本当に難しい課題ですよね・・。
研修に出るために現場を抜ける先生たちも、
そのことを身をもって分かっています。
ですから、園を出るときには、
「後ろ髪を引かれる」ような・・
「仕事を投げ出してしまっている」ような・・
モヤモヤした感覚を持っていることがあるのです。
ですから参加者の(特に初回の)満足度が、
今後の受講意欲に大きく影響することでしょう。
初回満足度を高める最大のポイントは「押し付けない姿勢」
研修担当者のあなたは、せめて、
「来て良かった」
「参加して良かった」
と感じてもらいたいのではないでしょうか。
では、
参加者の満足度を獲得するためには、
どんな工夫が必要なのでしょう?
いくつも挙げることができますが、
何より大切なこと。
一番大切なことは何か?
私は「学びを押し付けないこと」だと痛感しています。
当たり前だと知りながら、
ここで失敗してしまうことは多いものです。
企画の段階では、スキルアップのために、
こういうスキルを身につける「べき」と考えがちではないでしょうか。
社内の上席の方たちから、そういう発言が聞こえることも多いからです。
しかし、研修を企画する段階で、
MUST(べき)思考に陥ると、
「現場の先生たちが受けたい研修」にはなりづらいでしょう。
逆に「受けさせられている」感覚を抱かせてしまうかもしれません。
そして(特に初回の)満足度が得られず、
研修参加に対する否定的意見や不満につながってしまいます。
MUSTからNEED・WANTへと変換する研修企画の役割
研修企画の初期段階で、
MUST(べき)思考を持つこと自体はOKです。
しかし研修担当者さんは、
その後、企画を詰める段階において、
「MUST(べき)」を、
「NEED(必要)」や「WANT(なりたい)」に
変換する役割を担っているのです。
受講する職員さんたちにとって、
「肯定的結果(メリット)」を想像させる研修のほうが、
受講意欲を高めるはずですから。
現場の先生たちの「困り事を楽にする」ために。
現場の先生たちの「なりたい姿に近づける」ために。
必要な事=NEED、なりたい事=WANTを、学べる場にしていく。
この心の姿勢が、満足度を高める研修を生み出すことにつながるはずです。
いかがでしょうか。
次回のコラムでは、受講者の満足度を高める、
その他の工夫について、書いていきます。
ぜひ続けてお読みくださいね。
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